サビとメッキについて


いままでも各部の錆を紹介して来たが、 私のMINIで製造から約20年が経過、もう通常ならぼろぼろになっていてもおかしくはないのであるが、手入れを良く行って来ているので、何とか錆も最小 限に押さえ込んでいる。

しかしチョット雨の中を走った数日後に は、あれほど丁寧に錆を落として塗装したボディーの下回りなどはもう錆が発生しています。
錆については、綺麗にケレン作業(錆び 取り+下地作り)を行い、セプターを塗り、プライマーで仕上塗装を行なう、車体の表面は問題ないのだが、やはり下回り特にサブシャーシなどは一冬で錆が来 てしまいます。

また近年のパーツの品質低下がそれを後 押ししていますね。
たとえばバンパーの止めビス3カ所です が、これもまた一冬で外そうとするとネジ頭がもげてしまいます、溶接されたボルトが未メッキなのと溶接の際の熱で酸化したのが錆を加速させている理由なの でしょう。


 どうして錆びるのか、錆びやすいのか?

原 因がわかれば手だても見えてくる。さて錆を防止する為にどのような方法が考えられるか、ここ数年仕事の合間(というか仕事でも)考えて来ました。実は仕事 の関係で板金でのメカトロニクスなどの設計も行いますので、若干の知識と経験を生かし「どのようにしたら、効率よくMINIを長木に渡り錆から守れるか」 を考えてきましたがようやく分かりかけて来た事もあり、ちょっとまとめてみました。

それでは具体例として、下記の写真を見て下さいMKII仕様のグリルカバーです、見事に錆びているでしょう無惨です。

3年間でこれですからひどい物です。
実は何枚か過去に交換していますが、前回の分(1990年)物が数年前まで倉庫にありましたが10年使いましたが、ここまでは錆びませんでした、その時確 認すべきだったのですがおそらくは下地やメッキがかかった材質だったのでしょう。


写真だとまだ良く見える方で、塗装部分は詰めで軽く剥がれる状態です。これで3年です。
そもそも、ここ3年は冬期間高速道路も走りませんし、融雪剤が大量にまかれているであろう道路もさけて来ました、なのにこの状態です。

6年ほど前毎日の様に東北道を走り、車中塩をかぶって真っ白になり、1週間になんどもスプレー洗車を行なっていた時分でもここまで錆びませんでした。


グリルはどのような部品構成となっているか というと

グリル自体は鉄板でシルバーのラインは複数のアルミ板でリベットで固定されています。錆が発生する部品はグリルの鉄板です、アルミは錆というより腐食はし ますがまだいけそうです、リベットもほとんどがアルミで出来ており、中央のピンが鉄製ですが今回見た限りではその部分からの錆は見受けられませんでした。

そこで徹底的にこの「グリルの鉄板」部分の検証を行う事にしました。

手始めにアルミのライン板を外します、リベットをドリルの切り先でザグリ、リベットを外すとアルミラインパネルが全て外れます。



 なぜ錆びたのか原因を追及

結論から言うと製造工程に問題があります、こ れが部品の品質が落ちたと感じさせた原因の一つなのでしょう。そのプロセスとは次の様になるのではと考えます。
  1. 鉄板は製鉄工場で溶けた鉄の液体から、製鋼され冷やされ1枚の鉄板になった時点から錆びる危険にさらされます。

    解説>これは致し方が ない事で、大量に使う消費工場等では、出来立てを計画的に納入してもらう等の計画を立てています。

  2. この鉄板は一般に畳のサイズ程度かそれ以上の1枚板状の流通品の他に、とても大きなロール状になった形状で流通して いる2種類に分かれます。
    解説>量産工場ではこ のロールタイプが一般的です。

  3. 鉄は「生鉄」と言われる物と「鋼板」と呼ばれる物の2種類に分けられる。
    解説>車で使われる鉄 は鋼板がほとんどです。
    生鉄はほとんど使われませんが、MINIの 生産された当初はかなりの部分に使われていたかもしれません。

  4. 鉄は表面処理として大きく3種類の分類があります、一つは生地のままで薄く油が塗られている物と全く塗られていない 物があります、もう一つは各種メッキ処理されたもの、もう一つが塗装処理されたものです、主に塗装処理された物は車ではあまり使われません。
    また製造ラインで油分が付く事は珍しくありません。

  5. 今回のフロントグリルは「鋼板」の「生地」の鉄板が使われています。
    解説>これがそもそも の原因です、この部分に非メッキ鋼鈑を使う事は非常識とも言える事です、コストダウンが目的かもしれませんがここでの錆が他の部分も錆びさせま す。
    また鋼板と書かせて頂きましたが生地板の可能性も否定できません。

  6. グリルはプレスにて穴あけ加工と曲げ加工が施されています。
    少なくても2工程(2回のプレス)の処理がされています。1回目が外形とネジ穴や抜き穴もプレスで、2回目が曲げやシボ加工のプレスです。

  7. その後2液性塗料で黒色塗装されています。
    解説>私の予想では表 面処理しないですぐ塗装を行っているのではないかと思います。
    表面処理とは油分落としです。そのままの状態で塗装を行うと塗装と鋼板との付着が悪く隙間が出来てしまいます。

  8. と いう事でどうやらメッキ鋼鈑が使われていない事と、適切な下地処理が行われていない事がパーツの寿命(耐久性)を低くする要因と考えました。

  9. 製造工程で極稀に加工後にメッキ加工する場合がある、車のボディーなどでは行わないが、部品では全てまたはある程度 の加工が済んでからメッキに漬す場合ある、錆に関してはこのパタンが最適である。

    さて、もし今回のグリルにメッキ鋼板が使われていると、どうなるかですが、もちろん加工でプレスや穴あけされた部分はメッキがかかっていない訳ですので、 やはりプレスで切られたエッジ部分が錆びやすいのは仕方がありません。(実際は若干のメッキ成分を含むの ですが...)

    しかしメッキされた部分は、いきなり錆は発生しないで進行は緩やかです。
近年の自動車で使われる量産鋼板や修理 等で使われる板金パーツはメッキ鋼鈑の表側に塗装が施されています。この塗装はどういう事かというと、塗装ののりを良くする為とパテの食いつきを良くする 為です。


 対策処理の実行

前項からメッキ鋼板は良いと言ったところで、 手に入る部品はそのような物かどうかを、まさか塗装を剥いで調べて購入できる訳ではありませんので困った物です。

そこであえてボロボロのフロントグリルを一度ばらして塗装を剥がし、メッキ屋さんにメッキに出して組み直すとどれほど持つのかを試してみる事にしました、 幸い取引先でメッキ処理を行う工場を知っているので好都合です。
とは言ってもメッキに出すにはいくつかの行程とコツがいります。
  1. とにかく塗装は厳禁、電気メッキという手法ですので塗装されているとその部分にはメッキが乗 ません。ボロボロの塗装はスクレパーで驚く程はがれました、もうほとんど鉄板と塗装の間が錆だらけなのでちょっと触れただけでボロボロと塗装が落ちます。

    大方落ちたら、グラインダーに近年流行のスポンジ状のヤスリで残った塗装を剥がします。これば便利で、曲がったアール形状の部分も綺麗に剥がれます。

    もう一つの方法として、塗装剥がし材がありますが、その後綺麗に水洗いしなくてはならないので、この手の薄いすでに錆でボロボロの鉄板だと乾燥後すぐ錆び てくるので使いません。
    またプロがよくやるのがガスバーナーで焼いてしまう方法です、油分を含め綺麗に取り除けますのでお薦めですが環境が必要です。











  2. 塗装が落ちても錆だらけです、これも一緒に落としましょう。いかにもただの板金作業ではなくレストアという作業の感 じがプンプンとします、この時点で一度ラッカーシンナーで全体を拭き取って剥がし忘れがないかチエックします。

  3. そのままだとどんどん錆びて来ますので、薄くオイルを塗ります、実際メッキ工場では事前に油落としと表面を酸で酸化 させる前処理を行いますの少量の油分はかまいません。

  4. この状態で新聞紙でも包んでおきます。

  5. 余談ですが、せっかくなので手持ちの部品でメッキ処理したい物があれば一緒に出すと良いでしょう。
    実際そういった純正部品をただ、メッキパーツにした物が高価に売られていることがありますよね。

  6. さて後はメッキ屋さんにお願いするだけなのですが、お任せコースでやってもらうしかありません、理由はこの部品だけ の為に工場を動かす訳ではなく針金に吊るした利した様々な部品を大量に処理する一部として行われる為、メッキのムラ等が発生しても仕方がありません。

  7. あ と非常に大事なのがメッキの種類です、メッキと言っても種類があり金メッキの様な高価な物から、自動車部品では定番のクロムメッキまたはその同等メッキ (硬質クロム/装飾用ニッケル・クロム/無電解ニッケル)、さらに錆を防ぐ目的に特化した亜鉛めっき「ビス等に使われるメッキ」があります、錆びにくくす るための処理です。亜鉛めっき後にクロメート処理というものを行い食性を向上させます。

    光沢クロメート(ユニクロ)・・・青銀白色(よく見る銀色の ビスのメッキ)
     耐久性は高くないが、とにかく安価で 薄いメッキが可能で ある。
     よくメッキ鋼鈑といわれるメッキとは、この手の亜鉛メッキクロメート仕様である。



    有色クロメート(クロメート)・・金色系虹色(よく見る金色 のビスのメッキ)
     耐久性は高くないが、とにかく安価で薄いメッキが可能である。



    ニッケルとにかく飾り物等ピカピカ光るメッ キはこれ


    クロー ニッケルに近いが、研磨すると深く 輝く、硬度と耐摩耗性がある。
     古くはメッキバンパー等に使われているあれです。



    参考例として下記のメッキはサブシャーシ等大きな面に、最適かも知れません。

    ドブ 電気メッキではなくドブ付けにするのでそう呼ばれる、メッキの皮膜が厚く耐食性/耐久性に優れている。
    電柱の金具やガードレール等が代表的、風雨でも錆びていませんよね、但し仕上がり面が均一でないのが特徴。


    タクロドブメッキと比べられるが、メッキの厚 さが薄くても、根本的にこちらの方が性能は上。

    錆びにくい順番は、光沢クロメート<有色クロメート<黒色クロメートの順番で向上します。


    また、クロムメッキですが、よく鏡の様に鏡面処理を行うのが「バフ研磨」処理です、製品をピカピカに仕上る処理です。
    めっき前後に処理して布製の部材に研磨材をつけて製品を磨く処理ですですが全て手作業のため非常に高価ですので、これまた大変ですが、時分でやるのも手で す。


  8. 今回メッキ屋さんに依頼するのはユニクロメッキとします、銀色のビスのメッキと同じ物です。


         
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